四阿の静謐 -castitatis lilium-

台湾の台北在住。台湾企業に勤める会社員。日々の記録。

「普通」のブログに感動

とても眠いんだけど、元台湾在住の日本人の人のブログを見つけてしまって、その人の書いている内容にひどく心を癒されたので、どうしても書かずにはいられない。

その人のブログの内容は、いわゆる情報系ブログとはちょっと違って、純粋に自身の台湾生活について思ったことや感じたことを記していた。年はおそらく30~40過ぎくらい(ご自身では中年のおじさんとしか形容していない)、一人暮らし。
もちろんグーグルアドセンスやほかのアフィリエイトバナーが貼ってあるんだけど、記事の内容がとにかく「普通の随筆」で、それがあまりにも珍しくて、ついつい読みふけってしまった。

最近目にするブログと言えば、とにかくアクセスアップによるサイト収入を目的にしたものばかり。そういう小ぎれいにまんべんなく「人の役に立つ」ことを目指して作られたブログを読むことに、正直疲弊していた。
否、疲弊というのは少し違う。自分にはそういうのが書けない、とひがんだ目で見ているので、読むたびにストレスが蓄積されていくのだ。

ブログライティングでお金を稼ぐことは今やどんな人にも可能で、当たり前のことになった。それができれば会社なんて辞めて、ノマドになってどこでも自由に暮らせるのに……という願望をずっと持ち続けているわりに、全然その方向へ努力しない自分を際立たせられる気がして、だからこそ余計にブログが書けなくなった。

そんな泥沼の中でおぼれ続けていた私にとって、この人のブログは一筋の光明のようだった。嗚呼、「普通」のブログだ、と思った。まだ日本にいたとき、ブログではなくホームページだった時代、自分が続けていたサイトの内容を思い出した。私は、こういう文章を書きたいんだ、と思った。

人の役に立つためにブログを書く。その姿勢はとても正しいし、それでお金を稼げるに越したことはない。でもそれを意識すると、私は途端に何にも書けなくなる。人に読まれてこそのブログだというのは十分わかっているけれど、それ以上に、私には自分のために文章を書きたい欲求があるのだ。
それが誰の役に立たなくても、誰の目にも心にも引っかからなくてもいい。ただ、純粋に、自分が書きたいことを書く。そうなると当然、内容は情報系ではなく「随筆・エッセイ」に重きが置かれるようになる。でもそれだとお金は稼げない。本当はブログでお金を稼いで副収入にしたいのに。
この矛盾がずっと私を苦しめている。

複数ブログをやればいいじゃんって話かもしれないけど、そもそもの段階で、私には「人にものを勧める」というスキルがない。というより、「勧めたい」という欲求がまるでないので、そういう系の文章を書くことがとても苦痛で、時間をかけても文が出てこないのである。

嗚呼、でも、もうそういうの取っ払って、今みたいに垂れ流すような文章に回帰してもいいのかもしれないと思えた。こんなによどみなくブログを長く書いたのだって、えらく久しぶりだ。それが少し気分がいい。

この静かな熱を失わないようにしよう。